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11月 2021

令和3年を迎えて

新年あけましておめでとうございます。年末年始の寒波襲来の予報で、どうなることかと不安でしたが、寒いながらも平穏な元旦を過ごしています。

さて、ちょうど1年前を思い返すと、まだ新型コロナ感染は発生しておらず、いつもと変わらぬ新年を迎えていたと思います。しかし、令和2年2月下旬ごろから新型コロナ感染の不穏な空気が流れ始め、予定していた英国家庭医療研修の中止、4月には講義や実習のオンライン化など、慌ただしい日々となりました。幸い鳥取県は感染者が少なかったのですが、関東圏や関西圏での学会や研究会はのきなみ中止となり、すべてウエブ参加型となりました。大学病院も感染防御のため、国外渡航や国内流行地への移動はできなくなり、渡航歴・滞在歴・症状のチェックとPCR検査が課されるようになりました。日常でも、3密を避けるため、大人数での飲食や会議もできません。一つの感染症が世界をこれほど激変させるとは、いったい誰が予想したでしょうか。医療の世界だけでなく、経済、運輸含め社会全体がコロナに揺さぶられています。ウイズコロナの時代をどう生きるのか、医療と医学教育にも重い課題が投げかけられています。

教室活動に関しては、日野病院・大山診療所での臨床実習をはじめとする地域医療教育ができなくなり、オンライン演習で代替するしかなくなりました。感染流行地では臨床実習がまったくできない大学も多く、患者を診ることでしか学べない実体験をもたぬまま医師になる学生が多くなっており、医学教育全体の視点からも、大きな課題となっています。

教室活動については、令和2年4月から今岡慎太郎先生、孫大輔先生が加わり、人材が充実してきました。今岡先生は血液内科、孫先生は家庭医療学・医学教育の専門で、教室の教育・研究にとって大きな刺激となってくれました。令和元年からはじまった大山診療所の家庭医療教育ステーションも、朴先生の頑張りで順調に稼働し、診療所の患者数も増えて臨床実習も順調に実施できています。新型コロナ感染による、オンライン教育もさまざまな工夫を盛り込んで、学習できるように努力しています。この工夫については、井上先生が日本医学教育雑誌に報告しました(パンデミック下でのオンライン実習―鳥取大学医学部地域医療学講座の場合―、特集 パンデミック下の医学教育―現在進行形の実践報告―、2020 年 51 巻 3 号 p. 298-300)。このような努力が認められ、「コロナ禍におけるオンライン地域医療実習の工夫と成果」というタイトルで、地域医療学講座が鳥取大学の学長表彰をいただくこととなりました。教室員の教育への熱意が認められたものであり、教室の責任者としてたいへん誇りに思います。

来年度も教室内で少し異動がありますが、地域医療学の教育と深化、総合診療医の育成をめざすことに変わりはありません。パンデミックもこれから永遠に続くものではないのです。長い目で、地域医療に資する学問、教育、人材育成を、着実にすすめていきたいと思います。

皆さんのさらなるご指導ご鞭撻を、お願いしたいと存じます。

令和3年 元旦
地域医療学講座

教授 谷口晋一
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