アートフォーラム「民藝運動とウェルビーイングなまちづくり」登壇報告
2024年11月17に鳥取市役所で開催されたフォーラム「民藝運動とウェルビーイングなまちづくり—吉田璋也と式場隆三郎、二人の医師が手がけた地域デザインの可能性」に登壇しましたので報告いたします。
本シンポジウムは、汽水域アートシェアリング2024の一貫として、鳥取大学地域価値創造研究教育機構の石田陽介准教授の主催のもと、司会に鳥取大学地域学部の竹内潔准教授、パネリストに民藝に詳しい木谷清人さん(鳥取民藝美術館常務理事)、式場隆三郎研究者の山田真理子さん(医療法人式場病院)と私を迎えて行われました。
本フォーラムは、約100年前に民藝運動を創始した柳宗悦らの思想をもとに、民藝運動をリードした二人の医師、吉田璋也と式場隆三郎の取り組んだ地域デザインに焦点を当てながら、ウェルビーイングなまちづくりについて考える趣旨となっています。
私は「民藝運動と利他—地域医療のMINGEIモデルの提案」と題した話をさせていただきました。具体的には、私の専門である家庭医療(family medicine)の原則と民藝の「手しごと性」や「利他」の思想に共通性があること、近代医療が喪失した「身体性」を取り戻す運動としての意義について語りました。また、地域医療のMINGEIモデルとして「身体性」「手しごと」「暮らし」「利他」といった要素が考えられるのではないかという提案を行いました。
汽水域アートシェアリングは2022年から3回目を数えます。WEBサイトに過去のプロジェクト含めてレポートなどが掲載されていますので、ご覧ください(https://tottori-he.art/meeting_cat/project-archive/)。
(孫大輔)
(写真撮影:田中良子)