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15月 2023

人生ではじめての育休

鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。
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 今回のブログはかなり私事の話になってしまいますが、最近起きた自分の中での大きな出来事についてだらだらと書こうと思います。ご了承下さい。昨年の秋に育休を取らせていただきました。この育休について今回は書いてみたいと思います(別のところでも似たような内容を記載していますので、重複しているかもしれません。ご了承ください)。

人生初の育休でしたが、価値観が大きく変わるものでした。小生は2ヶ月半とらせていただきましたが、その間当直どころか仕事がありません(育休中の仕事は基本的にやってはいけません)。同僚がSNSで仕事の様子、プロジェクトの様子などを共有はしてくれていて、それらを目に通すことや、メールの返信をすることなどはありましたが、基本的に大学にも病院にも行くことは無く、家でじっとしている。もちろん家で暇を弄ばしていることは無く、慣れない家事が待っているわけです。詳細は割愛しますが、普段慣れない家事であったがため、おそらく家人もそれはそれで大変だったことでしょう。ただ24時間ずっと戦いっぱなしではなく、自由に物事考えたり、読書の時間をなんとか作ったりすることはできました。絵本を借りるついでに近所の図書館に行き、普段なかなか読むことのできない医学書以外を数冊借りて、家事の合間に読書に勤しんだのも、忙しい毎日が始まった今では懐かしい限りです。

 

 

育休がもたらした今までにない時間ときっかけ

 自由に物事を考えるためには、自分の場合ある程度時間が必要となってくるのかもしれません。例えば浪人生の時に将来について考えたり(これは非常に漠然とした悩みだったり、将来への不安だったりでしたが)もその一つなのかもしれません。こういうのは過ぎ去ってしまうと、あんな悩みもあったなぁと大したことないのですが、例えば2ヶ月先の職場復帰は大丈夫だろうか、なんてことを思ってしまったりします。2ヶ月でこの不安が出てくるのだから、1年休んで復帰される女性の方の不安は本当に大きいだろうなぁ、とつくづく感じたわけです。こうした「女性への共感」というのも育休中にたくさん感じました。そもそも男子寮に住んでいた経験や男兄弟という生まれながらのポイントがある私ですが、女性への共感が決して得意ではありません。こういう背景を言う事自体が言い訳なのでしょうが、確か「82年生まれ、キム・ジヨン」(筑摩書房)を読んだか、それとも「女の一生」(モーパッサン・新潮文庫)を読んだからだったかは忘れましたが、自分が想像もしてこなかった、女性の一生・生きづらさということを考えるようになったわけです。

育児がいまだ女性中心であるからなのか、育休中にはそんな「女性の生き方」についても考えたり、読書をしたりしました。それは例えば配偶者の将来を自分が大きく変えてしまった立ち位置にいる、だからこそ今後の配偶者の将来についても考えていかないといけないし、やりたいことがあるなら応援する姿勢くらいは持っておかなければ、みたいな気持ちだったように思えます。ただ女の生きづらさをを学んでいくと、その裏返しで男の生きづらさということも考えるようになり、「自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと」(扶桑社)とかを読んでると、知らない間に男という呪縛?で生きてきた自分を振り返ってみたり、「これからの男の子たちへ :「男らしさ」から自由になるためのレッスン」(大月書店)を読んで自分をメタ認知しながらストンと理解できるような気になったりしました。なかには自分の子をジェンダーニュートラルに育てようとした人もいるようで、「ピンクとブルーに分けない育児 ジェンダークリエイティブな子育ての記録」(明石書店)という本でそうした取組を知りました。そこまで真似をすることはしていませんが、男だから・女だからということを意識しすぎないことも大事だなぁ、ということも学んだ次第です。

 

 

育休中のまとめ

 ここまで書いてみて読書日記になってしまいました。子育ての何を悟ったわけではないですが、

・育休取って育児の楽しいところだけを今までもらって自己満足していたところもあったな、っていう悟りは得ました。家事の奥深さを知りました。

・(これは入り口のものかもしれませんが)女性の生きづらさと男性の生きづらさについて考えました。

もちろん、育休中により長く家族と時間を過ごすことで、たくさん話しをしたり、思い出を作ったりできたことも忘れられぬことです。今後も、両立で悩むことはあるとは思いますが、人生最大のプロジェクトの一つだと思って取り組んでいきたいと思います。最後になりましたが、貴重な育休の機会を与えてくれた講座や外勤先の皆様と家族に感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました。

Author:李 瑛


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