ゆるい読書会@とっとり「つながりの作法」を読む
2月20日にゆるい読書会@とっとりを開催し、「つながりの作法:同じでもなく違うでもなく」(NHK出版, 2010年)を課題本にして語り合いました。本書は、脳性マヒであり医師・研究者である熊谷晋一郎さんと、自閉症スペクトラム症(アスペルガー症候群)であり研究者である綾屋紗月さんの共著です。
自閉症と脳性マヒというそれぞれの障害によって外界との「つながり」に困難を抱えて生きてきた障害当事者兼研究者の二人が、人と人とが「互いの違いを認めた上でなお、つながりうるか」という、現代的なテーマに挑んでいます。
本書のキーワードは、つながり、当事者研究、べてるの家、オープンダイアローグ、ダルク、依存症回復と多岐にわたります。
参加者の語り合いでは、
「違うんだけどつながっている、同じじゃないけど切れてもいない、それが重要じゃないか」
「つながりは境界線を動かす力がある」
「沖縄の事例。本島とそれ以外、日本人(うちなんちゅ)と沖縄人、など線引きが動く」
「コミュニテイに所属しても圧迫感を感じる。それを理解しつつ排他性も感じる姿」
「『正常』のラインが、どんどん狭まってきている。その苦しみ、生きづらさ」
「機能を問われる社会」
「(障害の捉え方が)認知症の捉え方とも共通点がある」
などの意見が出ていました。
「つながり」に関して、とても印象的だったある参加者の言葉を紹介して本稿を終えたいと思います。
「つながり方は『おにぎり』が良い。米のようにバラバラでなく、お餅のように融合してもいない。米粒一つ一つが保たれているけれども、全体を構成している状態」
(孫大輔)