【2022年9月】レジデントデイを開催しました。
2022年9月10日のレジデントデイは、外部講師として藤沼康樹先生をお呼びして、学生、初期研修医も参加する形で行いました。
藤沼先生には「卓越したジェネラリスト診療(EGP)と総合診療の魅力」という表題でご講演いただきました。症例を通して総合診療の魅力を語っていただき、とても刺激的な時間となりました。私としてはヒーリングとリカバリーは地域でも起こり、その時にはepiphany(ガーンと来る感じ)がある。ということの事例として取り上げられていたデュエルスペースでの糖尿病患者同士の出会いが印象的でした。総合診療医の役割としてはcure(治療)だけではなく、healer(癒やす者)としての役割がある。癒しは医療者のみが行うのではなく地域でも起こりうることであり、その偶然性を許容すること、待つことやヒーリングやリカバリーが起こりやすい地域づくりも含めて総合診療医の役割かなと感じました。
学生や初期研修医からは、「総合診療医とは、オールマイティではなく、患者の個別性に寄せることのできる医師であることを学んだ」、「内容が発展的であり、学生の自分にとっては十分に理解できなかった部分もありますが、それでも断片的に理解できる部分(教科書通りではないベストな対応や教養が大事など)もあったため有意義であり、参加してよかったと思いました。」、「患者の生活が映像でイメージできるような聴取をするなど、内科と家庭医の視点の違いを学んだ」、「地域の中で起きるヒーリングとか、人生の最終段階で人間が必要とするものは、大層なことじゃなくてこれまでの生活を続けられることとか小さな幸せだとか、毎日のルーチンが大事なんだとか、すごく腹落ちしました。」等の感想がありました。
専攻医からは、「明日から実践できそうと思う一方で、家庭医療の奥深さの一端を垣間見ることが出来、これからの医師人生がさらに楽しみになりました。」、「どんな環境でも、そこで生きてきているということはそうできていた理由、強みがあるということを学びました。」等の感想がありました。
学生にとっては少し難しい内容でしたが、学生、初期研修医、専攻医、それぞれの参加者がそれぞれの目線から考える機会になり、すべての参加者にとって学びある会になったのではないかと思います。
このような貴重な機会を提供していただいた藤沼先生には感謝申し上げます。
(谷口尚平)