医学生の共感(empathy)の教育に関する論文(孫講師が共著)がpublishされました
BMC Medical Education誌に孫講師が共著の原著論文「Using patient storytelling to improve medical students’ empathy in Japan: a pre-post study(日本における医学生の共感向上のための患者ナラティブの活用:事前事後研究)」が掲載されました。東京大学・医療コミュニケーション学分野の香川由美先生が筆頭著者の論文です。
Kagawa Y, Ishikawa H, Son D, Okuhara T, Okada H, Ueno H, Goto E, Tsunezumi A, Kiuchi, T. Using patient storytelling to improve medical students’ empathy in Japan: a pre-post study. BMC Medical Education 23(1), 1-8, 2023.
https://doi.org/10.1186/s12909-023-04054-1
(上記リンクよりフリーで全文が読めます)
本論文の骨子は以下の通りです。
- 患者のストーリーテリングが日本の医学部の学生の共感をどのように向上させ、それが6ヶ月間持続するかを量的に評価する目的で行われた
- 159人の4年生の学生を対象に、患者のストーリーテリングを聞いた直後と6ヶ月後に、共感のスケールであるJSE-Sのスコアが有意に改善されたことが示された
- これらの結果は、患者のストーリーテリングが医学生の共感を育てるのに有用であり、今後、人間性とコミュニケーションの教育で医学部がこれを使用することが期待される
図1. 2018年度グループと2019年度グループにおけるJSE-Sの平均得点の時系列変化