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133月 2024

インドネシア研修 Part④ 【インドネシア5日目】謎多き「ポシャンドゥ」の実態とは? ディポネゴロ大学の医学生とケースディスカッションを行いました!

インドネシア滞在5日目の今日は、午前中に昨日訪問したものとは別のプスケスマスと、ポシャンドゥという施設を見学しました。そして午後からはディポネゴロ大学にてケースディスカッションを行いました。

プスケスマスとはインドネシアの地域医療の主体となる医療機関で、ポシャンドゥはその下級施設にあたり、月に1回簡易的な定期健診が行われています。医療処置は施されず、定期的な身体チェックにより主に乳児の栄養失調による成長阻害を予防・早期発見する目的があるようです。
初めにプスケスマスにて両施設で行われている取り組みについての説明を受けた後、そこから車で10分ほど離れたポシャンドゥに向かいました。
到着して最初に目に飛び込んできたのは、お遊戯をしているたくさんの子どもたちの姿でした。健康増進のための施設と聞いていたのに何故ここに保育園があるのかと、私は驚きを隠せませんでした。
実はそのポシャンドゥには、就学前に5、6才の幼児の社会性を育むために、他の子どもと交流する機会を週3回設けていて、「Pospaud」と呼ばれているそうです。子どもたちは折り紙をしたり歌ったりして過ごし、その間母親が屋外から子を見守り、数名の保育士が子どもたちの面倒を見ているという状況でした。私たち学生も子どもたちに混じって歌い踊り、楽しいひと時を過ごしました。

さて本題のポシャンドゥについてです。そこには5つのテーブルがあり、
①登録
②体重、身長、頭囲、血圧、血糖値測定
③データ記録
④健康増進のための教育・アドバイス
⑤ヘルスサービス(例)食べ物の配給
とそれぞれ役割が割り当てられていました。各テーブルに2〜4人がついて対応していたのですが、なんとその方々は全員ボランティアなのだそうです。ボランティアは、子育てがひと段落して日中に自由時間ができた50歳前後の女性が多く、医学生による教育を受けたのち合格基準を満たした人が働いているそうです。
また、健診の傍ら子どもたちへ食べ物の配給も行われていて、日本の健診にはないことなので興味深いと感じました。これは政府監修のレシピをもとに各ポシャンドゥで調理し、配給しているのだそうです。

午後には鳥取大学の学生5名とディポネゴロ大学の学生6名が、それぞれ事前に準備をしてきたケースディスカッションを行いました。鳥取大学からは日本の中山間地域で起こりうる高齢者の医療と介護の問題について、ディポネゴロ大学からは各国に特徴的な医療制度についてのディスカッションでした。オランダから研修に来ていた医学生2名も加わり、活発な意見交換が行われました。日本側のディスカッションで出た意見の中には、3国間で共通しているものもあれば、新しい視点に驚かされるものもありました。インドネシア側のディスカッションでは自国の医療制度について説明し合い、各国の共通点・相違点を認識した上で各自疑問に思ったことを質問し合いました。
ディスカッションを通して感じたことは、オランダの学生もインドネシアの学生も、英語能力が高いだけでなく、プレゼンテーション能力にも非常に長けているということです。また、インドネシア側のディスカッションで日本の医療制度を説明する際に、その特徴と魅力、課題点をすぐに想起することができなかったことと、それを英語で十分に伝えられないために相互のコミュニケーションを積極的に取れなかったことが、私自身の反省点です。格の違いを目の当たりにして自身の未熟さを実感したとともに、現状に甘んじず意識的に学ぶ意欲と、自ら考える姿勢が必要だと強く感じました。

夕食は、ディスカッションを共にしたインドネシア、オランダの学生たちと楽しく充実した時間を過ごしました。歴史的にインドネシアにゆかりのある日本とオランダの学生が偶然インドネシアに集結し、文化や言語の壁を超えて平和な時間を共有しているという状況を、感慨深く感じていました。素敵な出会いに心から感謝しつつ、これからも互いに刺激を受けながら成長していける関係性が続いていくことを願っています。

(医学科3年 水野夢香)

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