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1012月 2018

高齢者医療にキーワードのフレイル・サルコペニアって何?~フレイル編~

鳥取大学地域医療学講座発信のブログ「地域と医療のいま」です。
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みなさん、こんにちは。
鳥取大学医学部地域医療学講座の朴です。

今回から2回に分けて、高齢者医療で今重要視されている、フレイル・サルコペニアについてお話させていただきます。

1回目はフレイルについてお話いたします。

 

フレイルとは?

フレイル(frail)とは健常から要介護に移る間の状態を言います。
日本語訳をすると少々キツイ言葉になりますが「虚弱高齢者」と言われたりします。

サルコペニア(別記事で紹介)が肉体的な問題を表すのに対して、精神的な、社会的な、と言った多面的な意味合いで使われることが多いです。

 

社会的なフレイル

「病気もそんなにないし、食事もしっかり摂れているのに、独り暮らしでなんか寂しい。」

このように身体は健康なのに、社会的に健康ではない状態。こういった状態を「社会的なフレイル」と言ったりします。
栄養状態や病気に関係なく、独り暮らしや孤独感など、そういった社会的な要因がフレイルになる可能性を高めることがあります。
このような要因を「健康の社会決定因子」と言います。

 

健康の社会決定因子

その人の健康を何が決めるのか。
肉体的な健康だけでは無く、社会とのかかわりや、精神的な状態などが、寿命や健康に影響してくることがあります。

具体的な例を出すと

  • ・独居の男性は独りで食事をしていると鬱になりやすい
  • ・笑わない人は脳卒中になりやすい
  • ・所得が高いところは平均寿命が長い

など。

現代の日本でもこのような社会的な要因が健康に影響を及ぼすということがわかっています。

 

健康でいるためには

今回はフレイルのお話をさせていただきましたが、健康でいるためには筋肉量を維持したり栄養状況に気をつかったりといった身体の状態を維持することは、もちろん重要です。
それと同じくらいに社会的、精神的な状態を見直すことで、健康でいれる可能性がグッと高くなることが医学的にわかってきています。

アナタの周りで社会的に孤立している、精神的に苦しんでいる人がいませんか。
今の社会でこそ、その辺りを見直すことで、健康的で満ち足りた社会を実現することができるかもしれません。

 

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