ゆるい読書会@とっとり「風の谷のナウシカ(漫画版)」
2021年3月にゆるい読書会を開催しました。今回の読書会では漫画版「風の谷のナウシカ」を皆さんと一緒に読みました。(ネタバレ注意です)
漫画版では映画版と違い、土鬼、森の人、蟲使い、過去の人類など様々な異なる背景を持った人々が登場します。そして、核戦争や宗教対立、文明の発展と環境汚染などなど、考えさせられるテーマがこれでもかというほど盛り込まれた超大作となっています。
読書会でも、漫画なのに何度も読み直したという声が多く挙がりました。
特に話題に上がったのが、ナウシカの心の変遷と、巨神兵を引き連れたナウシカが、最終的に旧人類が最後の希望を託した墓所を破壊してしまう点で、これには少し困惑したという意見もありました。
ナウシカ一人の判断によって、旧人類は復活の可能性を絶たれてしまいます。
それで良かったの?造り替えられた人類は清浄な地で生きていくことができるのか、それとも滅んでしまうのか?
全てが納得いく物語になっていないことがこの作品の面白さの一つで、だからこそ読書会で取り上げていただけて良かったです。
王蟲は「個にして全、全にして個…」と語ります。王蟲の心をみたナウシカは死をも否定せず、個に固執しつづけた旧人類を全にかえそうとしたのではないか
読書会が終わってからもそんなことを考えていました。(奥谷はるか)