『日本のまちで屋台が踊る』新版が刊行されました(2025年10月)
2025年10月、『新版 日本のまちで屋台が踊る』が学芸出版社から刊行されました。この本は、屋台を単なる街の風景としてではなく、人々の暮らし・働き方・社会との関わりを映す鏡として捉え直す試みであり、実践者インタビュー・文化人類学的視座・哲学・都市史など多様なアプローチから構成されています。
私(孫)も本書にて、モバイル屋台という活動を通じた地域との関わりについてインタビューを受け、屋台を「出張可能な場としての診療所/交流拠点」という立ち位置から語らせていただきました。さらに、屋台で活動を続ける他の実践者たちの言葉から、それぞれの屋台が歩んできた物語が紡がれていて、「なぜ屋台に行き着いたか」「どう屋台を街で動かしていくか」という根源的な問いが鮮やかに浮かび上がります。
また、本書には哲学者・文化人類学者らによる論考も収められており、「屋台とは何か」「屋台と街/地域との関係はどう変わりうるか」といった思索的な視点が深みを与えています。都市の再編や人々の暮らしの変化のなかで、屋台という「移動する場」が持ちうる可能性を改めて考えさせられました。
街を歩けば、屋台が踊る風景が目に映る——そんな日常がもっと豊かになる契機となる一冊です。興味をもたれた方にはぜひ手に取っていただきたいと思います。
(孫)