第7回地域医療学講座あり方懇話会(2019.3/11)
3月11日(月)夕刻に、医学部で第7回地域医療学講座あり方懇話会が開催されました。
委員の紹介の後、私の方から「地域医療学講座の現状と課題」について簡単な活動経緯の報告をおこないました。
その後、委員から以下のコメントが出されました。
前向きの評価
・ここ数年間で地域医療教育の質が上がっており、教育内容がぐっと進化した感じがする。
・大山診療所(家庭医療教育ステーション)や大学病院総合診療外来など、教育フィールドが充実
してきている。
・大学病院の総合診療は、来年度からの初期研修体制の刷新における研修医による外来診療義務化の
トレンドにそったものだと思う。
・地域枠だけでなく医学生全員に地域医療を学んでもらうのは意義がある。
・地域枠へのカリキュラム外課題のアプローチは意味があると思う。
今後の課題
・クリクラ1が1Wというのは短すぎる。2Wとして、クリニック・中小病院・地域すべてを体験できる
プログラムを考えてほしい。
・大学病院の総合診療外来は、教育にとってどういう位置づけになるのだろうか。
自治医大の総合診療科も設立から紆余曲折があり、役割がようやく安定した経緯がある。
・ケンブリッジの家庭医療研修はよいイベントだが、予算措置や経験者のその後のキャリアはどうなって
いるのか。
・地域(県・町村)から総合診療医育成の提案があったことは評価できる。しかし、本来は鳥取県東部中部
からも同じ提案があるべきではないのか。
・地域枠からの離脱者が多いが、対策が必要ではないのか。他の大学ではどういう対応をとっているのか。
・研究については、鳥取県がコンパクトなことを生かし、医療介護データを集積してデータベース化する
など、鳥取県の特徴を生かした方法を工夫してほしい。
全体として、おおむね前向きな評価をいただけたものと思います。課題にあがった点は、解決できるものから
少しづつ改善していきたいと思っています。
今回強く感じたのは、五里霧中だった地域医療教育の中身が徐々に整理され、カリキュラムのなかで構造化
されつつあること、学生たちも呼応して学びが前進していることです。委員方からの激励に感謝して、さらに
よりよい地域医療教育をすすめることと、新たなフィールド開拓に真摯に取り組まねばならないと感じています。
委員のみなさん、お忙しいところ熱心に議論いただき、本当にありがとうございました。(谷口)