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710月 2022

救急科・上田敬博教授オンライン講演会を開催しました。

9月12日に鳥大病院救急科上田敬博教授のオンライン講演会を開催しました。救命救急センターにおける現在の取り組みや今後の展望、学生の頃の話などを語ってもらいました。参加者は地域枠学生・教員など20名以上でした。

ちなみに、今回は地域枠学生有志による企画でした。事前準備から当日の司会進行まで担ってくれた彼らに心より感謝申し上げます。

上田先生の研究は主に「広範囲熱傷の治療法」であり、かつては福知山線脱線事故の被害者の治療や、京都アニメーション放火殺人事件の犯人を重度の火傷から救い出した実績があり、2020年から鳥大病院救急救命センター教授として働いておられます。

当日は、上田先生の学生の頃から今に至るまでの思い、不撓不屈の精神(リロード)などを、ご自身のラグビー体験を重ねて語られました。「リロード」というのは、タックルで倒されてもすぐに立ち上がるというラグビー用語です。リロードの精神、そして、タックルは真正面からいかないと失敗することを医療に活かし、患者診療もまっすぐに真正面からぶつかることをモットーにされている、という言葉が印象的でした。

ー学生の感想の一部を紹介しますー

「講演を拝聴して、今の自分に容易にできてかつ大切なことは「諦めずに精一杯取り組むこと」「自分で積極的に行動すること」「様々な人と交流すること」が挙げられると思う。(中略)諦めずに精一杯取り組むというのは、上田先生が紹介されていた幼少期の頃のお話から感じた。受験に失敗したり部活でレギュラーになれなかったりと大変な苦労をされていたが、先生は「やめずに続けた、やればできるという思いがあった。」とおっしゃっていた。私は今の勉強に対して、医学部入学前に想像していたよりもずっとハードで、投げ出してしまいたいと思うことが何度もある。でも上田先生のような素晴らしい先生でも過去にたくさんの苦労をされていること、そしてそれを乗り越えられていることから、自分がしんどい思いをするのは自分の能力不足だけではない、しんどい思いをするのはみんな同じでそこをどう乗り切るかが大切なのだということがよくわかった」

「最も印象的だったのは患者との向き合い方について、マニュアルのようなものはなく、先生自身のラグビーの経験から培われた姿勢−そこに腰を据えて患者さんと正面から向き合うこと、と語られていたことです。上田先生は医師として患者に対し救命の治療を施すのは勿論のこと、さらにその上で一人の人間としての患者と向き合おうとされている。医師として目の前の人を必ず助けるという使命感に圧倒されました」

「上田先生は患者さんの治療において、目の前の命を助けて次のステージに繋げることだけを考え、そこに個人的な葛藤はないと述べられていた。また、大学教授という非常に高い権威をお持ちにもかかわらず、新人医師・看護師のことを仲間と呼び、患者さんを中心としたチーム医療が行えるようにチームビルディングをされていた。このような実績よりわかる通り、非常に高い医の倫理や、思いやり、共感力をお持ちであると考えられる。これらの人間性には、自分自身がたくさん失敗を経験し、辛い思いをしたことが、反対に立場の弱い人への共感力や、自分の信念や倫理観を育むキッカケとなったためではないかと考えた」

(孫)

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