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168月 2023

日本海新聞 ネット版に掲載されました。

2023年6月27日 糖尿病予防講演会の記事が日本海新聞 ネット版に掲載されました。

糖尿病は怖くない? 鳥大教授が講演で力説 生活習慣見直し予防

2023年06月27日

「糖尿病」と診断されて2年半になる。薬を飲んで血糖値を下げている。糖尿病は「万病のもと」「サイレントキラー」と呼ばれ、心筋梗塞や脳卒中などの合併症につながるが、日本海新聞に「糖尿病になっても怖くない」との講演会の告知が出ていた。えっ? 関心を持って会場に向かった。

糖尿病は生活習慣病で、インスリンの不足や働きが鈍ることで、血液中にブドウ糖が慢性的にあふれ出す病気。生活習慣を改善し、血糖値をコントロールすることが大切となる。
初期は自覚症状がほとんどなく、気づいた時には病状が進行していることも多い。治療をせずに放置していると、失明や下肢切断、糖尿病性腎症を引き起こす。
なぜ、怖くないのか―。

「大騒ぎしない」

講演会は6月24日、鳥取県米子市淀江文化センターであった。主催は「ライオンズクラブ(LC)国際協会336―B地区7R・8R」(西尾慎一地区ガバナー)で、鳥取市会場に続いての開催。LCは糖尿病予防を重点取り込み項目に掲げている。

この日の講師は鳥大医学部地域医療学講座の谷口晋一教授。糖尿病の専門医だ。演題は「健活ライフを考えよう!~糖尿病になっても怖くない~」。
谷口氏はまず参加者に「糖尿病と言われたらショックだが、誤解を解きたいと思う」と呼び掛けた。
「ヘモグロビンA1c(過去1~2カ月の血糖値の通信簿)の数値がちょっと高くなると、大変だとなる方があるが、大騒ぎすることではない。長く放置しているのが問題。きちんと7%未満にコントロールされていれば、一生健康に過ごせ、天寿をまっとうできる」
「糖質制限など極端なことはやらないほうがよい」とも。きちんと体をマネジメントして血糖値を管理できれば、糖尿病でない人と同じように、寿命と生活の質を維持できるということだ。
糖尿病関連の文章はよく読んだが、こういった説明は新鮮だ。
血糖値はインスリンによってコントロールされている。肥満と運動不足がインスリン反応を悪くし、結果的に血糖値が上がる。耳の痛い「メタボリック症候群」の話が続く。

谷口氏は「肥満の人はなりやすい」「2キロやせればリスクは減らせる」「喫煙も関係がある」などと指摘。「生活習慣の改善は予防効果があると科学的に証明されている」と断言した。
予防のポイントとして、活動に見合った摂取カロリー、運動などを挙げ、「まち中でちょっと歩いてみる、階段や自転車を使うなど、生活に合わせて、できることをやっていけばよい」と呼び掛けた。

最後に糖尿病について「初期の段階で治療でき、きちんと管理すればよい。ひとくくりにして、不幸な人生という思い込みはやめてもらいたい」と訴え、血液検査をし最初に医師からしっかり説明を受けることをアドバイスした。

うまく付き合う

鳥取県健康政策課によると、2022年度の県内の糖尿病患者数は、国保対象が1万4427人(男8192人、女6235人)、後期高齢者2万3508人(男1万501人、女1万3007人)。男女ともほぼ横ばいで推移している。
2020年度データでは県内の特定健診対象者のうち、10%が予備群だ。

6月15日現在、県糖尿病医療連携登録医は151人いる。健康政策課は「住民の方に早い段階で、かかりつけ医から登録医がいる病院へうまくつなげるように、市町村を通じて広報をしている」と適切な初期治療の実施に務める。

谷口氏は取材に対し、演題に込めた意味をこう説明した。

 「合併症の話をすると怖いイメージを持たれるが、糖尿病でも合併症はなく、きちんと管理されている人はたくさんおられる。いまは数値がすぐに分かるが、数値に振り回されないようにする。糖尿病とうまく付き合うということだ」

 

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