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143月 2024

インドネシア研修 Part⑤ 3月7日 インドネシアの田舎に行ってきました

スマラン滞在4日目、本日はインドネシアのいわゆる田舎であるJeparaを訪問しました。谷口教授は卒業式に参加するため帰国され、学生の内1名は体調不良のためホテルでお留守番という残念なことになってしまいましたが、残りのメンバー6人とDiponegoro大学の先生方、オランダからの留学生と共にJeparaへ向けて出発しました。3車線あった道路は途中から一本道になり、舗装が殆どなくなったジャングルの山道を終始ハイスピードで飛ばし、脚長のほぼ野生と言ってもいいニワトリを横目に掠め、道路の凸凹の度に飛び跳ねながら、Semarangを発ってから車で片道およそ2時間30分かかって、ようやく目的地に辿り着きました。

最初に訪れたのはプスケスマスです。プスケスマスはインドネシアの家庭医制度における5分類のうち4番目の、基本的な医療を提供する医療機関です。インドネシアでは3月までは雨季に当たるため、病原体を媒介する蚊が発生しやすく、入院用のベッドはデング熱の患者で満床でした。患者さんの横で、家族が床にカーペットを敷いて寝ているのが印象的でした。このプスケスマスには禁煙外来があり、特別な資格を持った医師が患者さんにカウンセリングを行う様子を見せていただきました。

続いて訪れたのは、ポスビンドゥです。村長さんをはじめ、村の重役によるお出迎えをしてくださったのことには驚きました。ポスビンドゥはインドネシアの医療レベルでは最も下の5番目にあたります。先日訪問したポシャンドゥは子どもが対象だったのに対し、ポスビンドゥは15歳以上の大人が対象で、そこで行われている内容はほぼ同じです。月に1回、登録、問診、身長や体重の計測、血圧や血糖等の検査、結果を健康記録に記し、カウンセリングを行うという流れです。医師がいますが、ここでは治療を行うことができないので、検査結果に異常があればプスケスマスに紹介します。私たちが訪れた村では高齢者や初等教育しか受けていない人が多いそうです。そうした住民の高血圧や高血糖といった生活習慣病予防のため、食事や運動等の患者教育に力を入れている印象を受けました。

3つ目はPKDという施設を見学しました。PKDはポシャンドゥ、ポスビンドゥと同じく、インドネシアの医療制度の最下層にあたります。妊婦や5歳以下の子どもを対象にしており、助産師1人、ヘルスワーカー2人によって毎日運営されています。医師がいないので分娩はできず、見守りに特化しています。具体的には、ハイリスク・中リスク・正常に分けて妊婦さんの個人カードを作り、出産予定月で分類し、さらにハイリスクの乳児や妊婦をそれぞれマップ化して、緊急時の搬送体制を整える仕組みがあります。

今回は地域医療における下部組織を見てきましたが、地域医療の枝葉では、住民と医療者との距離が近いだけに、住民の特徴やニーズに合わせて、一人一人に寄り添った医療の形があるのだと実感しました。また、コミュニティとして団結し、地域で住民の健康を支えるという意識を学びました。

現地の学生さんはポリクリ配属3日目ということを全く感じさせないような、流暢な英語でのプレゼンや、インドネシア語から英語への同時通訳に圧倒されたとともに、非常に良い刺激を受けました。短い時間だったけれど交流もでき、まさに一期一会だなと思いました。

次回は、スマランのより高度な医療機関の見学です。(医学科2年野濵奈佳)

 

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