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153月 2024

インドネシア研修 Part⑥ ディポネゴロクリニックと大学病院の見学、JICAで働かれている先生との会食を行いました。

本日はスマラン最終日でした。
午前はディポネゴロクリニックとディポネゴロ大学病院の見学を行った後、ディポネゴロ大学に戻って修了式を行い、certificateをいただきました。
その後、お昼はディポネゴロ大学の先生方やオランダからの留学生との最後のランチを楽しみ、飛行機でジャカルタに戻ってきました。

ディポネゴロ大学病院はクラスC(※)の医療施設だそうですが、広々として清潔感があり、「村の治療院」といった印象のプスケスマスなどと比べるとかなり近代的な印象を受けました。病床数は約300床で、1日に約200名の患者がプスケスマスから紹介されてくると伺いましたが、実際の病院の規模はそれ以上に感じられました。
※インドネシアでは医療機関をその役割によって最も高度なA〜最も身近なEまでクラス分類しています。

病院内を見学させていただく中では、General
Practitioner(GP)の先生にお話を伺う機会があり、「患者さんから聞いた話をカルテに記載するのは、話が終わった後にする。それを怠る人は(インドネシアでは)ProfessionalなGPではない」と仰っていたのが印象に残っています。そうすることで患者の尊重にも繋がり、そのことが生み出す関係性が「全人的にみる」という総合診療医の仕事に対してもプラスに働くのではないかと感じました。
インドネシアと日本では医療環境が異なり、インドネシアでは患者さんの基本情報などはあらかじめカルテに記載されているそうで、日本で全く同じことをするには難しいところもあるかもしれません
しかしお話に刺激を受けたことは事実ですし、今後続いていくであろう医学生・医師としての生活において大切にしていきたいと感じられた価値観でした。

ジャカルタへ戻った日の夜にはJICAで働かれている先生や医系技官をされている先生との会食があり、ありふれた道から外れて精力的に活躍されている人生の先輩方から大変有意義なお話を聞かせていただく機会がありました。プライマリケアに関連して特に興味深かったのは、地域の文化と感染症の流行の関係のお話です。インドネシアでは日本脳炎など特定の感染症の流行の分布と宗教の分布が密接に関わっていることもあるというお話で、単に患者さんのデータを見るだけでなく、その患者さんが日々をどのような文脈の中で送られているのかというところまで診ることもまたプライマリケア医の大きな仕事なのだというメッセージをいただいたような気がします。

今回、スマランやジャカルタでは貴重な経験ができました。
スマランでの日々は、一介の外国人に過ぎない私たちが鳥取大学の後ろ盾とディポネゴロ大学の協力をいただくことでプスケスマスや大学病院といった医療機関の裏側まで入り込むことができ、現地のプライマリケアを学べる良い機会でした。またそれと同時にディポネゴロ大学の学生やオランダからの留学生とのケースディスカッションや交流を通して、今後の勉強へのモチベーションが非常に高まる機会でもありました
仮に私的にインドネシアを訪れても、同じ経験をすることは不可能だったでしょう。
このような機会に恵まれたことについて、関わってくださった皆さまには感謝しかありません。
今回の経験を糧にし、患者さんに貢献できるよう今後より一層精進していく所存です。
本当にありがとうございました。(医学科5年川岸倖希)

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