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92月 2018

日本は本当に医師不足なのか?~視点によって変わる医師不足 ②世界編

鳥取大学地域医療学講座発信のブログ「地域と医療のいま」です。
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日本の医師不足・世界から見ると足りない?

世界中の国々が、医師数に関してどういっているのでしょうか?
よく出されるデータとしては、先進国、OECD加盟国の中で、日本は10万人当たりに医師数がまだ、何十人足りないと言われています。
しかし、日本は本当に医師不足なのか?①地域編にあるように、地域間によって、充実していたりそうでなかったりして、はっきりとわからないのです。
また、先進国とはいえ、医療制度が日本とは全然違う中での指摘なので、単純に足りないとは言えません。

鳥取県はアメリカ・イギリスよりも人口当たりの医師数が多い

アメリカもイギリスも、人口当たりの医師数は日本と比べてさほど多くありません。日本に近い医師数と言えます。
実は日本の厚生労働省も「医師数が不足している」とは厳密には言っていないのです。

医師数ではなく、診療科と地域の偏在?

アメリカなどは、医師数が足りないのではなくて、
「総合診療医(家庭医)が足りない」「○○科の医者が足りない」
というような言い方をしています。

それは日本も同じなんです。
厚生労働省は「専門診療科の偏在に伴う医師不足」とか、「医師の地域間隔差に伴う医師不足」といった言い方をしています。
要は、医者が一箇所に集まり過ぎていることで、他の地域にあまりにも医者がいない、医者が足りなくなっている、と言っています。

どこで何をするのかで、医師不足の答えが違う

日本では、医学生が何科になるのか自由です。
鳥取県のプライマリ・ケアをやる家庭医療専門医というのは6人しかいないんです。脳外科の専門医より数が少ないんですね。( http://www.primary-care.or.jp/nintei_fp/list/tyugoku.html

では脳外科の手術が必要で、治療を受けなければいけない人というのは、
鳥取県の人口ではどれぐらい患者さんがいて、
どれぐらいの場所にどういうふうに分散すれば、
効率よく、最も質が高く、コストも抑えられて、医療が回るのかという計算自体があまりされていません。

このように、地域間や世界から見た視点、そして診療科目で見た視点でも医師不足かどうかの答えは違ってきます。

では、私たちはどうしていけばいいのでしょうか?
またそれは、地域の皆さまとお話をしていく中でひも解いていきたいと思います。

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