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223月 2019

認知機能障害と、高齢者医療の在り方

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みなさん、こんにちは。

鳥取大学医学部地域医療学講座の朴です。

今日は、高齢者医療において重要なテーマである認知機能障害と、高齢者医療の在り方についてお話させていただきたいと思います。

 

高齢者医療と、認知機能障害は密接に関係している

高齢者医療において、認知機能障害は切っても切れない関係にあります。

加齢とともに、認知機能が低下していく事もありますが脳梗塞などの疾患によって、認知機能障害となることも多くあります。

厚生労働省の2015年1月の発表では、日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されています。

「軽度認知障害(MCI: mild cognitive impairment)」とされる方々、約400万人を合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症か、その予備群ということになります。

今後、高齢化がさらに進んでいくにつれ認知症の患者数も増えていく事が予想されています。

 

認知機能障害は、とても複雑。

認知機能障害=認知症ととらえられがちではありますが、認知機能というのはとても幅広いものです。そのため、認知機能障害が起きると少なからず日常生活への影響も考えられます。

単純に記憶だけの問題ではなく、言葉の意味が理解できなかったり、今起きている現状を理解できなかったり。問題行動となって症状が現れる事もあり、ご家族やサポートに当たっている方々にとって大変な場面も出てきます。

周りの方の大変さが目立つように思いますが、実はご本人も混乱していることが多いです。

症状により問題の大小はありますが、自分自身の状態が理解できなかったり、周りから言われている事が理解できなかったり、自分に何が起きているのか理解できない状態で常に不安を抱えておられます。

 

認知機能障害を抱えている方の治療を、どう進めるか?

自分の状況が理解できない状態で不安を抱えている方に対して、どのように治療を進めていくのか?

総合診療医として、きちんと向き合っていかなければならないテーマです。

状況が理解できないからといって、全く理解できない訳ではないのでご本人の意思は、しっかりとあります。もちろん、ご家族の想いとすり合わせていく事も必要です。

人によって症状も、想いも、意思も、バラバラなのでその方に合わせた対応が必要です。

それぞれに合わせた対応をするためには、治療に対する技術や知識だけではなく、人としてのコミュニケーション能力が大切となると考えています。

どんな障害があっても、目の前にいる患者さんは「人」です。

診察時間という短い時間ではありますが、出来る限りのコミュニケーションをとり、その方にとって最善の治療を進めていけるよう努めていくのも、総合診療医として大切な事であると考えています。

 

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