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155月 2019

より良い治療を進めていくために大切な、インフォームドコンセント

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みなさん、こんにちは。

鳥取大学医学部地域医療学講座の朴です。

今日は、患者さんと医療チームがより良い治療を進めていくために重要な、インフォームドコンセントについてお話したいと思います。

 

インフォームドコンセントとは?

インフォームドコンセントとは、

インフォームドコンセントとは、患者・家族が病状や治療について十分に理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療職、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセスである。

インフォームドコンセントは、ただ単に病状を告げ、同意書をとることではない。日常の場面においても、患者と医療職は十分に話し合って、どのようなケアを行うか決定する必要がある。(日本看護協会HPより抜粋)

と、いうものです。

治療を開始するにあたり、医療従事者と患者さんとの間で十分に相互理解をした上で、方針に合意をする事が、インフォームドコンセントでは重要となります。

また、医療従事者からの説明についてもわかりにくい専門用語を多用するのではなく、一般の方でもわかりやすい説明をする事が大切です。

 

治療を進めていく上で、重要なのは「信頼関係」

なぜ、治療を進めていく上でインフォームドコンセントが重要なのでしょうか?

 

全ての医療行為において、その内容とそれによってもたらされるリスクや副作用、予測される結果、代替可能な他の選択肢とその内容、また、これらを実施しなかった場合にはどんなことが起こると予測されるのか?など、様々な角度から、説明を行う必要があります。

 

そして、これらの説明に基づき、患者さんがご自身の状態を充分に理解し治療に協力していただけることが、より良い治療効果の達成のために重要なのです。

また、患者さん側の意思が常に尊重されている事と、患者さんと医療者が常に十分なコミュニケーションを行いながら治療が進めていく事が大切であると考えます。

大切な治療における一つ一つの選択を、納得して行えるように。

信頼関係を築いていくためにも、インフォームドコンセントが大切なのです。

 

選択できるためには、「自分がどうしたいか?」が重要

インフォームドコンセントは、患者さんがご自身の状態を理解した上で「選択」をするために医療従事者が治療について、説明をするというお話をしてきました。

しかし、「選択」をするためにはご自身の「意思」が明確でなければ、より良い選択をする事が難しくなってしまいます。

 

医療技術や化学の進歩に伴い、治療方法は選択肢がとても幅広くなっています。

身近なところでは、薬についてジェネリック医薬品を使うか?使わないか?という選択があります。自分が病気になったときに、どんな治療を、どのように施してもらいたいか?という意思は自分自身で考えて決めていかなければなりません。

  • 多少の痛みがあっても、素早く対応してもらいたい
  • 痛みを感じるのは、絶対に嫌だ!
  • 多少のリスクは理解した上で、最新の治療技術を取り入れてほしい
  • できる限り、治療費を抑えたい

など、様々な意思があると思います。

もちろん、病気や症状によって治療方法は違いますし、その時の状況によって意思が変わることもあると思います。

 

なので、小さな事でも「こうしてほしい」「こうはしてほしくない」というその時点での意思を医療従事者に伝えていただけると、より的確なアドバイスや、治療方針を考える事ができます。
ただ、医療関係者ではない一般の方々がリスクをどこまで理解できているか?という点も気になるところです。
日々患者さんと関わる中で、よくわからないけど同意したから良いという事ではないのでは?と感じます。

だからこそ、この先生だから「任せます」と言ってもらえる信頼関係が何よりも大切であると常々意識しています。

 

一つ一つの想いに、丁寧に寄り添いながら治療を進めていく。

患者さんとのコミュニケーションを大切に、日々の治療を行っています。

 

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